歴史人物の評価は移ろいやすい。悪徳商人と散々に叩かれた江戸の豪商・銭屋五兵衛は、明治維新後に一転して、ロマンあふれる偉人として評価されることになる。
どうも銭屋五兵衛は仕事がデキ過ぎたゆえの、罠にはまってしまったようである。引け目を感じさせる存在になってしまうと、どうしても周囲から足を引っ張られやすい。 悲劇の豪商、銭屋五兵衛について「SPA!」で記事を書いた。ぜひご一読を。
仕事がデキすぎた男の悲劇。江戸の豪商・銭屋五兵衛は嫉妬によるデマで獄中死 | 日刊SPA!
仕事をバリバリこなして、結果をきちんと出す。社会人になれば、そんなビジネスマンに憧れるものだが、仕事がデキすぎたがゆえに人生につまずくことがある。拙著『泣ける日本史』(文響社)では、理不尽な運命に翻…
そんな 銭屋五兵衛の物語を始めに、日本史の知られざる悲劇の物語を収めたのが『泣ける日本史』(文響社)である。ただ、悲しいだけの物語ではない。それでもなお、たくましく生きようとしたり、生きた証を残そうとしたりした、19人の歴史人物たちによる、共感の偉人伝だ。